〜産地紹介〜
中国福建省武夷山自然保護区は
ユネスコの世界遺産に登録されています。

武夷山自然保護区の生態系の豊かさは『遺伝子の宝庫』と称され、
多くの昆虫、鳥類、動物達が暮らす広大な森林です。

自然保護区の中央を流れる渓流は澄みきっており、
霧が山々を覆い、マイナスイオンの計測値は広い中国で随一の高さです。
渓流にオオサンショウウオ、山には虎や豹、多くの野鳥等の貴重な生物が生息しています。
その生態系の豊かさがユネスコより世界遺産の指定を受けた要因です。
〜自然農法の茶園〜

武夷山自然保護区内の核心地域に数百年前に古人の植えた茶樹が偏在し、自生化しています。

渓流沿いにも茶樹は根を張り、生き生きと育ちます。
茶葉は周囲の環境を移しこみます。

世界遺産の自然保護区内で、広大な面積を擁し古来の茶の自然農法が実践されています。
茶園は ドイツのBCS アメリカのNOP 日本のJAS の有機茶の認定を取得した、
中国の茶業界において有機運動の一翼を担う先進的な企業です。

〜竹林の中に開かれた茶園〜
豊かな自然本来の生態系の中では、一種類の病害虫が増えることは有り得ません。
現代においても農薬等を使用する必要がない事を意味しています。

かつて漢民族と諸民族の間で盛んに行われたとされる茶馬交易の古道の傍らにも
茶樹は根を張り息づいています。

この武夷の保護区を世界の紅茶の発祥地とする説があります。
古代の戦乱を避けた賢人が、ここで代々茶作りを続け、
やがて紅茶の全発酵茶葉製法を作り上げたとする説です。

茶の学名はラテン語で Bohea=武夷 を意味します。
インド紅茶の栽培が開始される以前、
イギリスへ向け多くの武夷茶が輸出されました。
深山の自生茶はかつて英国を魅了しました。
茶樹は周囲の環境と一体化し、すくすくと育ちます。
〜手摘みの風景〜
広大な自然農法有機茶園では、茶摘みは全て手作業で行います。
元気な茶葉を人の目と手で選び出し摘みます。

古人が戦乱を避けて開いた茶の桃源郷。
そこに植えた茶樹が今日も鳥や虫や動物達と共に、脈々と静かに息づいています。
伝統的な茶摘みの風景です。
野生化した広大な茶園では、茶摘みの機会は意味をなさず、
全てを手作業で行います。

山々に点在する茶樹は全て手で摘み取られます。
茶摘み機は、剪定され施肥管理され密生させて育てる一般茶園では必需品ですが、
広大な自然保護区では出る幕がありません。

茶作りは数千年間こうした自然な姿で代々受け継がれてきました。
健やかな茶葉は自然の贈り物です。

雑草に負けない野性化した茶葉の生命力。

上質な自然農法の茶葉。
手で摘まれる茶葉は選び抜かれた元気な茶葉です。


やがて茶樹は蕾から可憐な花を咲かせます。
採り木して単一品種を集中して育てる通常の茶園と異なり、
自然農法茶園では種から茶樹が育つ為、色々な姿の茶花が顕れ、世代と世代を紡ぎます。

手摘みの後に咲く茶花。
冬の霧の中でも茶樹は健やかです。

種から生れる自然の茶樹は岩の下にも根を張り、たくましく育ちます。

花は実を付けて地に落ち、やがて新たな世代の茶の木が生まれ育ちます。
自然の植生の一部と化し、雑草の中でも代々生き続けた茶樹のDNAは強くたくましい事が必然です。
母樹の横、新たな茶樹のベイビーが育ってゆきます。
〜盆景〜

盆景を感じさせる光景です。
切り株の脇にも根を張り育っていく力強い生命力をもっています。
種から育つ自然農法の茶樹達は、採り木で繁殖される福建省烏龍茶の数ある品種の源流とされ、
そうした単一の優良品種とは異なり、茶樹は自然の中で多種多彩な容姿を顕します。
〜茶樹の更新〜
自然保護区内では生態系の維持の為、人為的に新たな植物を植えることは禁止されています。
従って大きく育った茶樹を根元の幹から刈ることで、茶樹を更新します。

主幹が刈り取られ更新中の茶樹。
幹の下から新鮮な新芽が出てきます。

刈り取られた茶樹の幹。
〜周囲の環境と茶樹〜
茶園の周囲の雑草の繁みをかき分けると、そこにも自生している茶樹を見付ける事ができます。

霧が茶樹を育みます。

霧と銘茶は切っても切れない関係です。
瞬時に数センチ先も見えない程の霧が立ち込め、
年間を通じて保護区を覆い茶樹を潤します。

霧は保護区の山水に均しく恵みを齊し、保護区全ての生き物の生気を養います。

霧は山々を深く覆い
陽光を遮り、天然のかぶせ茶を創りあげます。
天と地は環境一体型の自然農法の優れた特性を茶葉に与えます。
茶は環境を写すと云われ、
武夷山の自然は茶の中に、人の中に山水画そのものの原風景を広げてゆきます。
〜山水と茶〜 毎日飲む茶は自然でありたい


霧の竹林
竹林と茶樹
茶の原風景が広がります。
天然と養殖の岩魚や自然薯、山芋や人参。
天然ものと栽培ものの間に質の違いを認める人が多くいます。
毎日飲む茶は自然でありたい。
普通の贅沢です。
只々自然な茶です

周囲の清清しい環境は一年を通じて茶葉に移り込み、無比の茶となります。
伝統自然農法のみが可能な、本来の伝統的お茶作りです。
〜伝統製法の風景から〜
電気・ガス化が進むお茶づくり、楼蘭の有機烏龍茶は古来の製法に従い、薪で焙煎します

保護区内では木々の伐採はできません。従って薪は他の省から集めます。

薪による製茶によって、伝統的な燻し(スモーク)の香味を茶に具えさせる事ができます。
〜茶葉の加工場〜


伝統建築が、経てきた時代と長い茶作りの歴史を感じさせます。
まるで映画の中のような光景です。
伝統揉捻機
復刻が試みられている伝統的揉捻機です。

桶に茶葉を入れ、上から重みをかけて茶葉を揉む方式です。

動力は水車です。
現在は電化され効率や精度から欠かせないものとなり、楼蘭の有機栽培烏龍茶も
水車ではなく電化揉捻機で行っています。
水車の復刻は茶文化を後代に伝える為の取り組みです。
〜山水と茶A〜

陸羽の茶経には、“茶は野生のものを最上とする”と規定されています。
清流の気、山に宿る力が茶の生命に反映され、
古来の価値を重んじる自然農法は、歴史的健康飲料“茶”の真の姿を映し出す農法です。
大自然の中、広大な自然農法茶園で自然と伝統が育む茶葉は
単位面積あたりの収量も極めて少なく、人手も掛かる極々稀少な茶葉です。
茶葉は豊かな自然環境に育まれた実直な価値を宿し、香味も質実かつ実直で芳醇
、
自然本来の贅沢が味わえる銘茶です。
古人陸羽の深遠な茶への理解に深い畏敬を覚えます。


小さなお寺と庭先の茶樹。
産地の人々は“茶園”と呼ばず、“茶山”と称します。
深山の独特の自然環境が、健やかな茶葉を育みます。


〜結び〜
弊社楼蘭は1976年に烏龍茶のパイオニアとして、日本において初めての烏龍茶販売を開始した会社です。
当時の中国の茶産地の状況はそのほとんどが有機栽培と云える状況で、弊社の創業者は当時お茶と健康について
深く考察し、烏龍茶をより自然なお茶として自信をもって消費者の皆様に紹介致しました。
楼蘭の有機栽培烏龍茶は、長年の産地との協力関係、長年に渡る産地茶園のリサーチから実現しました。
現在中国は日進月歩で変わり続けています。古来の茶作りを行う茶園は、農薬・化学肥料の普及により淘汰されてゆきました。
食品の安全性が問われる時代を迎え、弊社はユネスコ世界遺産“武夷山自然保護区”の深山の中、古来の自然農法を信奉し、
国際有機認証を取得した正山茶園と巡り合い、協力関係を結びました。
有機烏龍茶は1976年の烏龍茶発売当時の弊社の品質を実現し、消費者の皆様との当初の約束であった、
“烏龍茶の自然な品質と健康性”を守る事に直結しています。有機栽培烏龍茶は弊社にとっての“究極の烏龍茶”の結実であり、
もう一度創業の理念へと原点回帰することができました。
我々にとっての本来の姿の烏龍茶を皆様にお届けできる事は、本年創業三十周年を迎えた弊社にとって、
至上の喜びとするところです。
楼蘭の自然農法“有機栽培烏龍茶”をお楽しみ下さい。

茶業30年。辿り着いた地は、好山(良い山)好水(良い水)好茶(良い茶)
只々それだけでした・・・・・。
株式会社 楼蘭
代表取締役社長 甘利大輔